火星リゾートの創造
思いやりの心を育むために
国境を越えた世界中のみんなで
火星に人類初の惑星リゾートをつくる
笑顔とおもてなしの空間であるリゾート。
そのようなリゾートを世界中の市民が協力してつくる活動を通じて、
思いやりの心を育み、
平和で平等な社会の実現に貢献します。
デルス・ウザラ運動は、
分断の時代の根底にある「疎外する文化」を否定し、
思いやりの心を広めるための運動です。
国境を越えた世界中のみんなが力を合わせて、火星に人類初の惑星リゾートをつくる。
リゾートやテーマパークは、笑顔と思いやりの空間です。
そんな空間を世界中の市民が力を合わせてつくる、
という新しい取組みによって、
平和や平等、福祉、幸福などに結びつくような、
最先端のプロジェクトや、
最先端の学習プログラムに、
だれでも参加できる仕組みを作り出していきます。
どんなことにも、分け隔てなくみんなが参加できる社会になることで、
みんなが等しく学び、成長することができます。
そして、
自分より大きな何かのために自分を役立てる、
という幸福感を味わうことができます。
理念と目的
デルス・ウザラ運動の理念と目的、そしてコンセプトや目標などを確認しましょう。
コンセプトムービー
デルス・ウザラ運動のコンセプトがよくわかるムービーをご覧ください。
理念と目的
理念
「生命の尊重」
わたしたちは、戦争やテロといった暴力、そればかりではなく、搾取や貧困といった暴力にも取り囲まれて暮らしています。 暴力文化の時代に、わたしたちは生きています。暴力は、人間の根源に由来するものでは決してなく、現代のもっともおぞましき文化なのです。
暴力文化とは何かと改めて問えば、それは疎外する文化のことです。そして疎外とは、おのれの満足のみを追求して他者をかえりみないことです。他者の生命などどうでもいいという態度です。こうした疎外が生み出すのは悲劇のみです。 それゆえに、わたしたちは疎外を強く否定する文化をこそ育てていく必要があります。そして、生命を尊重する文化を育てていく必要があります。
そこで、デルス・ウザラ運動の理念は、「生命の尊重」であるとします。 ここでは、生命とは人間の命のことのみを指しているのではありません。わたしたちがもっとも大切にしなければならないのは、「すべての命」です。
わたしたちは、自らの幸福を追求したいと願っていますが、究極の幸福とは、「自分より大きな何かのために自分を役立てる」ことではないでしょうか。 その「自分より大きな何か」とは、それぞれの人たちが直面するその場面その場面で思うものでいいでしょう。そしてその頂点にあるものが、きっと「生命」なのでしょう。 わたしたちは、自分が大きな生命の一部なのだと自覚し、生命全体を大事にするときに、孤独感の苦しみから解き放たれ、他者を幸せにすることができ、自分も笑顔になることができるのです。
目的
平和
平和とは、生存権が優先されていることをいいます。対立により生じる諸問題が非暴力的に解決される社会を目指します。 すべての人間、すべての生命の生存権を優先するとは、すなわち共生に取り組むということです。 共生に取り組むことは困難が伴います。なぜ共生を目指さなければいけないのかという心理的葛藤にも直面することでしょう。その答えが倫理であり、わたしたちは常にその倫理について語り合う必要があります。
平等
平等な健康と、平等な幸福感を目指します。 平等な健康とは、健康に生活するために必要な基本的なもの、空気、水、食料、公衆衛生が平等に行き渡ること。さらに、医療、医薬品が平等に行き渡ることを言います。 平等な幸福感とは、わたしたちが他者から尊敬される機会やその程度が平等に行き渡ることを言います。これは言い換えると、「自分より大きな何かのために自分を役立てる」機会やその程度が平等に行き渡ること、となるでしょう。
目標
想像力
わたしたちは、まだ未熟な人間であると自覚することが大切です。その意味では、まず、自分がまだ未熟であると想像することができるようになることが出発点となります。 自分がもう成熟していて、正しい答えに到達したと確信していることが、狂信です。狂信は、自分の答え以外の考えが存在することが受け入れられない状態であり、疎外している自分を許し、疎外している自分に気づかず、対立を暴力的に解消しようとする状態です。 わたしたちは狂信に至らないように、未熟という不安定さに戸惑い続ける勇気と、成熟を目指して成長し続けようとする希望ある根気を持ち続けなければなりません。
わたしたちは、未熟さを前提として次のような想像力を育んでいきます。
- 希望ある未来を思い描く想像力
- 生命を思いやる想像力
- 疎外をなくすための想像力
コミュニケーション
コミュニケーションの本来の目的は、倫理を語り合うことや、意味や価値を生み出すことです。 また現在は、コミュニケーションを求めてくる機会が増加し、いわばそれを強いてくるような状況にあります。あるいは、主要なメディアを通じて、疎外の意図 を隠した情報伝達が行われやすい状況にもあります。コミュニケーションの質を向上させる必要性が高まっていると言えます。 また、疎外は、想像力の欠如と同時に、お互いをよく理解し合おうとする継続的な努力の欠如からも生じるものです。 こうしたことから、コミュニケーションの質の向上に向けて継続的に取り組むことが大切となります。
エンターテイメント
「自分より大きな何かのために自分を役立てる」。これが究極の幸福であり、そのような幸福感は長期的に持続する性質のものです。一方でそれは、苦労を伴う 実践が必然となります。その実践を挫折せずに持続するために、それを楽しんで、価値あるものだと感じながら取り組んでいけたらよいでしょう。 エンターテイメントとは、従来は短期的な気晴らしのことを指す言葉として用いられてきました。 これからはこのエンターテイメントに新しい定義を加え、「自分より大きな何かのために自分を役立てる」という長期的な幸福への取り組み、そしてそれを楽し みながら継続していくことができるようにしたものもエンターテイメントと呼び、その創造に取り組みます。
コンセプト
中間目標としての火星リゾート
想像力を育むこと、コミュニケーションの質の向上に取り組むこと、エンターテイメントに新しい定義を与えること、こうした取り組みを挫折せず発展的に継続 させるためには、その到達度合いが確認できるような、何か中間目標を設けるとよいでしょう。多様性に富んだ大勢の仲間たちと、ひとつのことを成し遂げる。 その過程で生まれる数々のドラマを体験し、到達したときの感動をわたしたちみんなで分かち合うのです。そうして、わたしたちの目指すものが間違いないもの なのだと実感するのです。
その中間目標となるのが、「国境や民族を超えた世界中の市民の手で、火星に人類初の惑星リゾートを創造する」というものです。この「火星リゾート」施設構 想は、2つの構成要素からなります。ひとつはテーマパークなどを擁する「リゾート施設」、もうひとつは「避難施設」です。
リゾート施設は、他人をおもてなしする空間です。他人を思いやり、他人の幸福のことを考える。そのような空間をみんなで作り出していく取り組みを通じて、 わたしたちはお互いを思いやる心が育まていくことでしょう。そして完成した火星リゾートは、未来のわたしたちが宇宙に行ってみたい理由となり、宇宙から地 球などの生命全体を見つめるきっかけにもなります。そして、わたしたちが平和と平等に向かって取り組んだ歴史を示すモニュメントにもなります。
避難施設は、火星滞在者が予期せぬ危機に陥ったときに、緊急避難場所として用いられます。わたしたちは、避難施設での極限状態について研究を深めることで、人間とは何か、社会とは何か、希望の効用や絶望からの救済などについて、たくさんのことを学ぶことになるでしょう。
コミュニケーションの質を磨く
このリゾート創作活動には、世界中から多数の市民が参加します。多様性にあふれる参加者同士のコミュニケーションを通して、わたしたちはお互いにさまざま な点で異なることを知り、また異なることを受け入れ合うようになるでしょう。また、多様性への理解が深まり、たくさんの他者と分かり合うようになれば、新 しい倫理も形作られていくでしょう。より人間同士、そして自然と人間が調和した倫理です。許しがたいことに、わたしたちの社会には、疎外する文化がいまだ に存在しています。わたしたち自身に関わる大事なことについて、多様性や生命の尊重を無視する彼ら疎外者たちが身勝手な決定を下すことは、もはや見過ごせ ません。重大な決定について、当事者たるわたしたち自身がその決定プロセスに参加することで、そうした疎外を防止することができます。多数の市民が参加す るこのリゾート創作活動で、意思決定に関するコミュニケーションの質を磨き上げていけば、その成果はほかのあらゆる場面に応用していくことができるでしょ う。そしてそのとき、疎外する文化は居場所を失うことになるでしょう。
想像力の限界を超える
火星を舞台にしたこの困難の多い活動を通して、わたしたちは自らの限界を取り払います。そして、ひと回りもふた回りも大きな想像力を獲得するのです。火星 という宇宙のはるか遠くにある惑星には、今のわたしたちには分からないことがたくさんあります。分からないからといって、分かろうとすることを諦めてしま うのではなく、挑戦し続けることで、少しずつ分かるようになります。新しく分かることで、新しい想像力が生まれます。火星という宇宙のはるか遠くから、地 球を見つめる。わたしたちはそこで、これまで経験しなかったほどの新しい視野を持つことになるでしょう。新しい視野を持つことで、また新しい想像力が生ま れます。
このリゾート創作活動は、国家や民族の威信をかけるためとか、競争のための活動ではありません。平和と平等を尊重するための活動です。ここでは、領土を奪 い合うことも、資源を奪い合うこともなく、民族や宗教で差別することのない空間を作り上げます。わたしたち人類は、長い間ずっと地球上に留まっていました が、近年ようやく宇宙に漕ぎ出すことができるようになりました。 こうした宇宙時代にあってわたしたちは、宇宙が生命全体にとって平等に開かれた平和な場所であることを再確認することが大切になってきます。地球上の不平 等な法律や政治力学が、他の惑星上には反映されないことや、わたしたち市民の知らないところで惑星に対する権利等が決定されることのないように、しっかり と監視していかなければなりません。そして、あらゆる惑星は、人類にとって、さらには宇宙にとって共有財産であるということを、当然のこととして広く認識 されるようにしなければなりません。そうしたわたしたちの思いを広く印象付けるために、火星で人類初の本格的な建築物がみんなの共有財産として築かれたこ とを高らかに謳い上げ、平和と平等の精神の貴重な先例として世界中に示すのがよいでしょう。
火星から地球を見ると、国、民族、人を隔てる境界線は見えません。それどころか、地球がひとつの生命のように思えてくるでしょう。わたしたちがあらゆる所 に張り巡らした境界線や、地球の資源の分配ルールについて、きっとその意味を問い直したくなることでしょう。そして、生命全体の中で人間を特別視するよう な考え方は、より一層疑問符が付されることになるでしょう。人間、人権といったものが、今後もっと議論を深める必要があるテーマだと認識されていくことで しょう。火星リゾートの創作活動は、わたしたちの今の想像力の限界を痛感させ、それと同時に、たくさんの新しい想像力をわたしたちに授けてくれるでしょ う。
新しいエンターテイメント
リゾート空間には、福祉を始めとする広範囲なテーマが内包されています。リゾート創作とはまるでひとつの社会の理想図をつくる、さらには自然を含む世界の 理想図をつくることだと言えるでしょう。そして、わたしたちのおもてなしの心を注ぎ込んで、ほかの誰かが笑顔になり幸せになる姿を思い描ける活動です。そ う、これは明るい希望を作り出す活動です。とても魅力的ですが、決してひとりでは達成できない、困難な道のりが続く創作活動です。しかし、わたしたちはこ の活動の過程で、大きな幸福を感じることでしょう。それは、「自分より大きな何かのために自分を役立てる」という実感にほかなりません。このような幸福の 実感を得ることが、新しいエンターテイメントです。そして、この活動を楽しみながら継続的に実践していけるように工夫されたさまざまな取り組みも、新しい エンターテイメントとなります。
わたしたちが平和と平等の精神に基づいて創造した火星リゾートは、未来の人たちにとって、行ってみたいところとなります。おもてなしの心を享受し、平和と 平等の精神を実体験してみたいという思いを抱いて訪れます。そして、火星リゾートは、わたしたちが宇宙という広大な生命の営みを尊重することを誓ったモ ニュメントとして、歴史に残ります。
デルス・ウザラとは
デルス・ウザラとは、ロシアの書物に出てくる実在の人物の名前です。デルスは百年前にロシア南部の密林に生きたゴリド族の男で、この密林に探検にやってきた隊長がデルスと出会い、彼と共に過ごした日々を、隊長は感動的な物語に残しました。
デルスの心に残るエピソードには次のようなものがあります。デルスたち一行は、密林の中で見つけた小屋で足を休めます。その小屋を出るときデルスは、米と 塩を置いていきました。「また戻ってくるつもりかい?」と尋ねる隊長にデルスは、次にこの小屋にたどり着くかも知れない人たちが飢えないように、置いてお くのだと答えます。見ず知らずの人たちのために、貴重な米と塩を置いていくのでした。また彼は、自然に向かって話しかけていました。それはまるで、森や小 川、風といったものと、心が通い合うあうと信じているかのようでした。デルスは失敗もする愚かな人物ではありますが、彼のこうしたエピソードからは、ふた つの愛が感じられます。「他人を愛すること」、そして「まわりの自然を愛すること」です。
他人を愛し、自然を愛する。そんなデルス・ウザラのような生き方がしたいとの思いから、この平和運動の名前をデルス・ウザラ運動と名付けました。
デルス・ウザラ運動の提唱者のプロフィールはこちらから。